JFCネットワークは、日本人とフィリピン人の間に生まれた子どもたち(Japanese-Filipino Children:JFC)を支援するNPOです。

特定非営利活動法人 JFCネットワーク

ニュース詳細

お知らせ2022.11.06

民法等の一部を改正する法律案による、国籍法3条3項の新設に反対する意見書

このたび、民法等改正に伴う国籍法改正の問題について、近藤博徳当法人理事を代表とする弁護士有志の会や、JFCネットワークを含むいくつかの団体で、反対の意見書を作成、公表しました。
民法等改正問題については、いわゆる離婚後300日問題への対応等にスポットライトが当てられていますが、「民法等」という表題から明らかなとおり関連法の改正も含まれていて、その中に、国籍法3条3項の新設という改正が入っています。
今回の改正では「認知」について無効主張に一定の歯止めをかけて当事者(子)の身分の早期安定を図っている一方(改正案の民法786条)、日本人父等による認知に伴って国籍法3条に基づいて取得するor取得した日本国籍については、わざわざ国籍法3条に3項を設けて、認知の反対事実(日本人父等との血縁を否定する事実)が判明した場合には無期限に日本国籍を否定する(一度取得している場合でも遡及的に”剥奪”する)ことが明文化されようとしています。
JFCを含む、何ら落ち度のない子どもに著しい不利益が課される法案です。
なお、UNHCRも同じ問題意識から以下のとおり見解を明らかにしています。

◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ 

 【国籍法改正:UNHCRの見解】

1014日、国会へ「民法等の⼀部を改正する法律」が提出されました。これから審議が予定されています。この法案に含まれている、国籍法第3条を改正する提案について、UNHCRの意見書が発表されました。いくつかの懸念が示されています。

 

すべての子どもには、国籍を取得する権利があります。国籍がないことで基本的な権利やサービスを享受できなかったり、差別を受け続けることなどを防ぐことができます。日本では、親のどちらかが日本国籍を持っていたり、日本で生まれた子どもについては、両親がわからなかったり、無国籍のときに、日本国籍を取得できます。

 

また、母親が外国籍で日本国籍を持つ父親と法律上の婚姻関係にないときは、父親の認知によって、子どもは日本国籍を取得することができます。日本は無国籍に関する2つの条約にはまだ加入していませんが検討中で、無国籍者のための国内法の規定をすでにいくつか持っている国でもあります。今回の法案では、認知をした日本国籍を持つ人との生物学的な親子関係が無いことが判明したら、さかのぼって日本国籍の取得を無効にすることが提案されています。

UNHCRは、主に以下のことを提言しています。

日本国籍の取得が無効になることによって無国籍者を生まないよう、無国籍者を例外と位置付けること。

国籍の喪失を行政処分とするなど、行政上の目的を達成するのに最も個人の権利や利益に対して侵害の低い手段をとれていることを確認し、国の決定に個人が不服申し立てができるようにするための仕組みをつくること。

当事者と日本との繋がりを十分に審査すること。特に未成年の場合は、子どもの最善の利益を考慮すること。

国籍の喪失に期限を設けること。

UNHCR意見書全文

https://www.unhcr.org/…/JP-UNHCR-Full-Comments…

UNHCR意見書概要

https://www.unhcr.org/…/JP-One-Pager-UNHCR-Comments-on…

◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆