JFCネットワークは、日本人とフィリピン人の間に生まれた子どもたち(Japanese-Filipino Children:JFC)を支援するNPOです。

特定非営利活動法人 JFCネットワーク

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国籍確認訴訟ニュース2010.02.06

出生届け未提出による日本国籍喪失に関する訴訟の提起について

日本人とフィリピン人の夫婦の子どもとしてフィリピンで生まれ、いったんは日本国籍を取得したにもかかわらず、国籍法12条の規定によって日本国籍を喪失した子どもたちが、2月2日、東京地方裁判所に、日本国籍の確認を求める訴訟を提起しました。

 国籍法12条は、「外国で生まれ、出生によって外国籍を取得した日本国民は、出生後一定の期間内に日本国籍を留保するとの届出をしないと、日本国籍を喪失する。」と規定しています。そして戸籍法は、届出期間を「3ヶ月」と規定しています。
 原告ら4名の子どもたちは、出生後3ヶ月以内にマニラの日本大使館に出生届と国籍留保の届出をしなかったために、日本国籍を喪失しました。
 けれども、外国で生まれた日本人の子どもの国籍を奪うこの国籍法12条には根拠に疑義があります。例えば、一昨年の最高裁判決によって、結婚していない両親から生まれた子は、20才までに日本人父から認知され、かつ届出をすれば、日本国籍を取れるのに対して、出生時から父親が日本人の子がなぜ3ヶ月で日本国籍を奪われることになるのか。

 この子どもたちはJFCネットワーク・マリガヤハウスの相談者ではありませんが、JFCネットワーク・マリガヤハウスのケースでも同様に日本国籍を喪失した子どもは沢山います。
 JFCネットワークの統計では、これまで受理したフィリピンのケースのうち、278人が結婚した日本人父とフィリピン人母の間に生まれた子で、そのうち約70%が日本国籍を喪失しています。